令和6年7月の役員法令試験(九州運輸局、貨物)を分析しました。

「受験者39名中、合格者15名。合格率38.46%」
前回は合格者21名、合格率48%程度で、今回はやや減少となりました。
実際の難易度はどうだったでしょうか?弊所でも実際に試験を解いてみました。併せて感想も述べてみます。ご参考までにどうぞ。

目次

【今回の難易度】「平均的な難しさ」

➀問題の量は?

今回は8ページ。通常は7~8ページ位なので平均的ですね。

②どんな問題がでた?

合格率が38%。輸送安全規則が5題出題されるなど運送事業系の条文も多く、結果各法律の出題バランスも個人的には健全だったと思います。

今回もまた、最初に難しい問題が配置され、後の問題になるほど簡単になるという順番でした。
独禁法や安衛法から10問目くらいまで難しかったように思います。
条文の理解度というか、さらにいうなら「この法律(条文)、きちんと読めますか?」と問われているような問題が多かったように思います。

③実際の難しさは?

幣所独自の難易度スコアリングによると、今回は63.75ポイント。弊所ではだいたい平均的な難しさでが60.0ポイントと設定しているので、数値的には難しいと出ています。弊所も実際に解いていて「条文探し辛いな…」と感じながらの回答でした。また時間的には50分では足りないほどでした。

以下は弊所の所感です。
正直、合格率25%位か?と思ったのですが、それを大きく上回る38%でした。今回の試験を解いた実感としては、そんなに簡単な試験回ではなかったと思います。それだけ各受験者様の対策が良かったという事なんでしょうね。本試験では対策セミナーでお伝えしている問題も多く出題されておりましたので、今回も受講者様のお役に立てたかと思います。

④落としても良かった問題は?

ここでは「合格には24問とればいい」を合言葉に、落としても良い問題をセレクトします。
かなり独断と偏見なのでご参考までに。

  1. 問題6(条文はすぐに見つかるが「条文読み」をしなくてはならないので難しい)
  2. 問題7(輸送安全規則と事業法を往復しないと問題の全体が見えないので難しい)
  3. 問題19(論点としてはメジャーなのですが、いざ条文で引かせるとそれ以前の条文に当たる必要があるので難しい)

    これ以外は必ず正解したい!という問題かというと、そのような問題は3~5問程度でしょうか。今回は「小難しい問題ですが出来れば頑張って正解したい問題」が結構多かったですね。試験後に手ごたえのない方が多かったと思います。

役員法令試験の対策、どうしたらいい?

今後、この出題範囲バランスと難易度、つまり合格率が続くのか何とも予想しがたいのですが、役員法令試験の対策として必要なことは大きく変わりません。貸与される条文集(350ページほど)を使って条文の引き方を習得し、必要と思われる箇所は意味を理解または記憶する。言ってしまえばこれだけです。

ですが、この力はなかなか身に着けることが難しいものです。
確実に合格するためには「正しい条文の引き方」と「十分な勉強時間」が必要です。
僭越ながら、これから受験される方はこの言葉を心の片隅に置いていただくとよいかと思います。

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man jumping on intermodal container
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