令和6年3月の役員法令試験(九州運輸局、貨物)を分析しました。
「受験者49名中、合格者10名。合格率20.41%」
前回は合格者17名、合格率40%程度で、今回は数、率ともに大幅に減少しました。
では問題の難しさはどうだったでしょうか?弊所でも実際に試験を解いてみました。併せて感想も述べてみます。ご参考までにどうぞ。
目次
【今回の難易度】「多くて難しい」
➀問題の量は?
今回は8ページ。通常は7~8ページ位。ただ、長文問題が多いように感じました。(特に後半)
②どんな問題がでた?
出題される法律は13あるなかで、各法律の出題バランスも健全。強いて言えば…、道交法、独禁法、下請法が複数出題されたため、相対的に他の法律からの出題が減りました。しかし出題された法律は商慣習上大事なものでもあり、昨今の社会状況・トレンドを反映させたともいえると思います。
問題数(というか肢数)が多く、そして理解させる問題の出題も増えましたね。この傾向はスタンダード化しており、運輸行政が求める運送事業経営者の現れともいえましょう。初の論点はほぼなかったものの、結果として全体的に難化傾向で、合格率にも現れています。ただ、対策セミナーでお伝えしている問題も多く出題されましたね。
③実際の難しさは?
幣所独自の難易度スコアリングによると、今回は65.00ポイント。弊所ではだいたい平均的な難しさでが60ポイントと設定しているので、数値的にも難しかったことがみてとれます。実際に解いていても「選択肢が多いな…」と感じ、50分では足りない受験生も多かったのではないでしょうか。合格率20%と高い値だったのも納得です。
役員法令試験の対策、どうしたらいい?
今後、この出題範囲バランスと難易度、つまり合格率が続くのか何とも予想しがたいのですが、役員法令試験の対策として必要なことは大きく変わりません。貸与される条文集(350ページほど←2月に増えました!)を使って条文の引き方を習得し、必要と思われる箇所は意味を理解または記憶する。言ってしまえばこれだけです。
ですが、この力はなかなか身に着けることが難しいものです。
確実に合格するためには「正しい条文の引き方」と「十分な勉強時間」が必要です。
僭越ながら、これから受験される方はこの言葉を心の片隅に置いていただくとよいかと思います。
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