令和6年5月の役員法令試験(九州運輸局、貨物)を分析しました。

「受験者43名中、合格者21名。合格率48.84%」
前回は合格者10名、合格率20%程度で、今回は数、率ともに大幅に増加しました。
では問題の難しさはどうだったでしょうか?弊所でも実際に試験を解いてみました。併せて感想も述べてみます。ご参考までにどうぞ。

目次

【今回の難易度】「平均的な難しさ」

➀問題の量は?

今回は8ページ。通常は7~8ページ位なので平均的ですね。

②どんな問題がでた?

合格率が48.8%。各法律の出題バランスも問題は一部法改正の影響か、少しだけ偏りがありました。なかでも重要な輸送安全規則と道路運送車両法が1問のみ。その分、自動車運送事業法、及びその施行規則が多く出題されました。(あくまで予想ですが、次回よりまた戻ると思います)

ただ、問題の数は20問でしたが、その分というか選択肢が多いように感じました。
注目すべきはその順番でしょうか。最初に難しい問題が配置され、後になるほど平均的な難しさになるという。
またやはり条文を理解を問う問題が目立ちました。初の論点は2点でした。法改正を絡めた論点もあり、昨今の法的状況・トレンドを反映させたともいえると思います。
運輸行政が求める運送事業経営者像の現れともいえましょう。

③実際の難しさは?

幣所独自の難易度スコアリングによると、今回は65.00ポイント。弊所ではだいたい平均的な難しさでが60ポイントと設定しているので、数値的にも難しかったことがみてとれます。実際に解いていても「選択肢が多いな…」と感じ、50分では足りない受験生も多かったのではないでしょうか。合格率20%と高い値だったのも納得です。

結果は合格率が約半数ということもある一方で、弊所独自のスコアリングでは61.62と、平均的なスコアでした。

以下は弊所の所感です。
スコアリングの通り平均的な難しさであれば、合格率平均は約40%前後のはずなのです。それが今回の合格率はそれより約10%程度高くなっています。
今回の試験を解いた実感としては、そんなに簡単ではなかったと思います。弊所も合格率は約40%位と感じました。それだけ各受験者様の対策が良かったという事なんでしょうね。
本試験では対策セミナーでお伝えしている問題も多く出題されておりましたので、受講者様のお役に立てたかと思います。

④落としても良かった問題は?

今回初めての試みですが、合格のために落としても良い問題をセレクトします。
かなり独断と偏見なのでご参考までに。

  1. 問題1
  2. 問題3
  3. 問題8
  4. 問題14
  5. 問題17

役員法令試験の対策、どうしたらいい?

今後、この出題範囲バランスと難易度、つまり合格率が続くのか何とも予想しがたいのですが、役員法令試験の対策として必要なことは大きく変わりません。貸与される条文集(350ページほど!)を使って条文の引き方を習得し、必要と思われる箇所は意味を理解または記憶する。言ってしまえばこれだけです。

ですが、この力はなかなか身に着けることが難しいものです。
確実に合格するためには「正しい条文の引き方」と「十分な勉強時間」が必要です。
僭越ながら、これから受験される方はこの言葉を心の片隅に置いていただくとよいかと思います。

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